【ゲーム日誌】ブレスオブファイアⅤドラゴンクォーター感想その2【PS2】
昨日は設定の説明が中心になってしまったので今日こそは感想を中心に書きたい!
ニーナを救うためにそらを目指すリュウはモンスター廃棄場で、
かつて地上を目ざすために作られ、そして廃棄されたドラゴンと出会う。
そしてリュウはドラゴンと予期せぬリンクを果たし、ドラゴンの力を体に宿してしまうのだ。
この時僕は「ドラゴンの力とか王道ファンタジーでいいじゃん!😄」と思っていたがこの陰鬱な世界がそんな都合の良い展開を許してくれる筈がなかった。
思い出して欲しいがリュウのD値は決して高くなく、リュウの体は本来ドラゴンの力に耐えられるだけの才能はない。
そして、ドラゴンの力とリンクしてからこのゲームでは常に右上にUIに「Dカウンター」という%が表示されることになる。
このDカウンターが示す値はリュウに対するドラゴンの力の侵食度。
0%からスタートするこのパーセンテージが100%になった瞬間、リュウはドラゴンの力に飲まれて死んでしまうのだ。
死んでしまうとRPGなのに最初からやり直しという心折設計も忘れていない。
じゃあ、ドラゴンの力を使わなかったら良いと思ってしまうが、そんなやわな希望をこのゲームが許してくれるはずがない。
そう、このゲームは一般的なRPGと比較して非常に難易度が高い。
ドラゴンの力は絶大で戦闘で使用するとほぼ確実に勝利することができる約束された勝利の力なのだが、この力を使わなければ勝てないような強敵がバンバン出てくる。
ドラゴンの技を数回使うだけでDカウンターが10%上がっているなんてよくある事なのだ。
強敵に出会う度にやむを得ずドラゴンの力を使い、文字通り命を削り勝利するが100%に達する度にゲームオーバーになり、最初からやり直す。。。。。
とんでもないマゾゲーである。
ドラゴンの技の中でもDブレスというかめはめ波のような遠距離攻撃は⭕️ボタンを押している間継続ダメージを与えられる代わりにその間%が爆発的に上昇していくという技なのだが、技を使用している時にUIに「⭕️ボタンをはなすな!」と出るため、押し続けたところそのままゲームオーバーになってしまったものである。
一応やり直すたびにちょっとした強くてニューゲームのようになるし、2週目以降は敵の行動パターンも把握しているため、ドラゴンの力を徐々に温存できるようになるのだが、一度もゲームオーバーせずにクリアできる人は少なく、これが非常に人を選ぶ仕様だ。
しかし、この仕様は私はこのゲームになくてはならない要素だと思っている。
それはこの仕様があるおかげで
・ドラゴンの力は絶大だがそれだけ危険であること
・世界のルールに逆らうことは並大抵の努力では叶わないこと
・Dカウンターは絶対に100%になっていはいけないこと
がプレイヤーにこれでもかと刻み込まれることに加えて、何回ゲームオーバーになってもどうしてもクリアしたいとプレイヤーが思えば思うほど、困難に立ち向かい一人の少女を救いたいと思うリュウの気持ちとリンクし、深く感情移入できるようになるのである。
実際私も2度ゲームオーバーになりながら、なんとかラストバトルまで辿りついたのだが、、、、何といってもこのラストバトルの演出が最高なのだ😢
その扉を開ければもう地上は目前というシェルターの大扉の前で立ち塞がるのはかつての相棒のボッシュ。
その姿はリュウへの劣等感と対抗心で得たドラゴンの力の成れの果て。ボッシュの意思は既になく、ドラゴンの力に乗っ取られてしまっている。
まるでゲームオーバーになった自分(=この世界のルールに逆らうことができなかった自分)を象徴するようにドラゴンはそらを飛び大扉の前に立ち塞がる。
戦闘が始まるが、ドラゴンはそらをとび近接攻撃は届かないことに気づく。
届く技はDブレスだけ。
ゲーム的に考えればDブレスしか選択肢がないのであるならば、Dブレスを放つしかないのだが、私は正直本当にDブレスを放って良いものか迷っていた。
それはDブレスを放ったことによってゲームオーバーになったトラウマや、Dカウンターが100%になってはいけないということがこれでもかというくらいここまでの旅路で私に刻み込まれていたからである。
しかし!クリアするためにはこれしかないんだろう!と決心しDブレスを放った瞬間目に入ってくるあのメッセージ。
「⭕️ボタンをはなすな!」
そのメッセージを見た瞬間、私は唐突に理解した。このメッセージはこの瞬間のために出ていたのだと。ゲームオーバーもカウンターが100%になることも今だけは全て忘れて、エンディングを見るためには、ニーナを救うためにはここで⭕️ボタンを押し続けるしかないのだと。
何度もゲームオーバーになりながらも、そのゲームオーバーを恐れず震えるコントローラーの⭕️ボタンを押しる私と、命を削りながら、叫びながらDブレスを放ち続けるリュウは完全にリンクしていた。
そしてその瞬間、あれだけ100%になることを恐れていたDカウンターの数値が
80%・・・90%・・・100%・・・150%・・・200%・・・300%
と上昇していく。
もうこのあたりから私は涙をぼろぼろ流しながら限界を超えていくリュウを見つめていた。
そしてDブレスで押しのけられたドラゴンはその体から力を失い、その勢いでシェルターの大扉を開ける。
そこには、今まで陰鬱な世界に閉じこもっていたことが嘘のような
綺麗な青空が広がっていたのである。
異常なまでに高い難易度、陰鬱な世界観、残酷な設定がラストの青空のシーンで全て逆に作用しとんでもない解放感を生んでいた。
そして流れる鬼束ちひろのED曲「castle imitation」
もうこの曲が流れている間私は涙が止まらなかった。
色々良いゲームはたくさんあるが、ラストバトルの演出でこのゲームを超えるゲームに出会えたことはない。
このゲーム発売当時はその難易度など賛否両論の末ワゴン行きになってしまったが私はこのゲームに出会えて本当に出会えてよかったと思っている。
確かにとっつきにくい要素も多く、賛否両論になるのもよくわかるが、エンディングを迎えた人たちの感想は「最高だった」に違いないと信じてやまない私の最高のゲームの一つである。